18人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところでマスター」
「はいはい、なんでしょうか?」
「……失礼ながらそれほどの高い賃金、とてもマーチャントギルドで賄えるとは思えなくて……」
「………」
「何処の酔狂な方が救いの手を差し伸べたんでしょう?」
「……さ、さぁ」
「是非一度お会いしてお話を伺いたいのですけれど…」
「………」
「マスター?」
「し、知らないですなぁ、あ、そ、そういえば今日は毛皮が大量に入荷するんだった。私としたことがウッカリしていたなぁ、ハハハ……」
「………」
「は、早く行かなければ、ではラピス様。また今度ゆっくりと」
そそくさと逃げるようにマスターは部屋から出ていってしまった。
「……ぁ…マスター………もぅ」
取り残されるラピスだが別に落胆してはいなかった。
(想定の範囲内。背後に誰かがいるって事が確認できただけで十分です)
一人頷くラピスもギルドマスターの部屋を出てゆく。
最初のコメントを投稿しよう!