白くて冷たい

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「あ、雪だ」 そんな言葉を最初に口にしたのは誰だろうか。窓際のあいつだろうか。 「雪じゃん!」 それを聞いて真っ先に騒ぎ出すのは、クラスに一人はいるお調子者という立場を我が物とするあいつだ。退屈な授業を中断させるための格好の手段を見つけたりとばかりに騒ぎ出す。 先生もまた窓の外を見て驚くような表情を見せたものの、彼は今仕事の真っ最中。すぐに生徒を注意する役割へと回った。雪のあまり降らないこの地域に長いこと住んでいるらしいのだから、彼にとっても多少は感動的なことだろうに。まったくご苦労なことだ。 仕事の真っ最中、というと、勉強が仕事である学生もまた速やかに仕事に戻るべきなのだろうが、そこがやはり大人と子供の差なのだろうか。クラスメイト達は喜んで仕事をさぼって私語に勤しみだしている。 些細な変化を全力で楽しむ、というのもまた模範的な学生の姿なのかもしれないが、まじめに授業を進めようとする先生の話くらいは聞いてあげればいいのに。なんてことを考える僕もまた、実際はその模範的な学生の例に漏れることはないのである。
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