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後ろ足を悪くしているエルに追いつくのは簡単だったけど、エルの気持ちがわかるし自分がどうして娘を庇おうとしてるのかわからない僕は無下にエルを止めることができなかった
『エル…エル!!』
何がしたいんだかわからない中途半端な呼びかけにエルが反応するわけもなく、とうとう娘が眠る本堂に辿り着いてしまった
横たわる娘の姿を見た瞬間、エルは低く唸りながら娘に飛びかかった
『エル、駄目だ!!』
即座に娘の前に立ちはだかる
動きを止めるエル
『どきなよ坊や……。わかってる?そいつは人間なんだよ』
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