拾八

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音も立てないうちに、1人の男が倒れこむ。 沖田が仕留めたようだ。 「ひっ…」 新選組最強の、沖田の腕前を目の当たりにし、後ずさる黒ずくめ。 「あれ?おかしいですね。先にしかけてきたのはそちらではありませんでしたか?」 言いながら、沖田は敵に向かって突っ込んだ。 翔を含めた他の隊士も黙って見ているわけではなく、すでに刀を抜き放ち、戦闘に入っている。 そのうち翔は、銃を持っていた男とつばぜり合いをしていた。 「…お前が、有村翔か?」 名前を言われ、嫌な予感しかしなくもないが。 「だったら、どうする?」 翔が答えると、相手は顔を歪めた。 そしてそのまま翔を突き飛ばして距離をとると銃を構える。 やはり、私が狙いか。 坂本龍馬の仲間だった者だろうか? ともあれ、あまり銃を相手に、距離を取るのはよろしくない。 翔は距離を詰めようとするが、相手はそれも承知。一歩つめては、一歩離れるという攻防が続く。 翔は舌打ちしたい気分だった。 そのうち、銃の弾の補充が完了したようで、黒ずくめは翔に狙いを定めた。 パァンっ。 本日二度目の銃の音。 仕留めたと、黒ずくめは口角をあげた。
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