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「貴方が来ているのは想定範囲外なんですが?」
「そうですか?僕は貴方を殺せるのが嬉しいですけどね」
沖田と伊東が対峙していた。
完全に、裏をかいたはずの作戦はばれていたようで、酒に酔わせたはずが、実は全く飲んでおらず、酔ったふりをしていたらしい。
隙を見て殺すはずの近藤が、逆に裏をかかれた。
沖田がそばに隠れていたおかげで反応できたが、暗殺は失敗。
このまま殺すことができなければ、作戦自体失敗に終わり、引いては近藤の命も危ない。
終わらせる必要があった。
「翔は来ているんですか?」
「貴方には、関係ないことです」
ガキィンっと、刀がぶつかる。
新撰組一の実力を誇る沖田と、師範代の実力をもつ伊東。
早さは沖田が上か、力は伊東に武があるようだ。
「あれは、使える。利用するべきです。」
「貴方なんかに渡しません」
「今回の作戦、どうして私が知っていたと思います?」
伊東が何故、突然こんなことを言うのかわからない。
「聞いていたからですよ。未来からの、情報を彼女からね」
「なっ…」
驚きに目を見開く沖田。
動揺で、隙ができた。
肩口に、伊東の刀が振り下ろされた。
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