拾八

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暗闇の中で、息を潜める。 緊迫した空気の中で、翔は目の前にいる沖田を見た。 伊東と何か話をしたのだろうか。 気になるけど、でも今は、そんなことを気にしている場合じゃない。 翔は、ふるふると首を振って雑念をはらった。 「来たぞ」 誰ともなく発せられた言葉に、翔ははっとする。 息を詰めて壁から覗くと、なるほど、見たことある顔がちらほらと。 彼らは伊東の遺体を見て唇を噛みしめる。 「ちきしょう、卑怯な真似しやがって」 「気を付けろ、明らかに罠だ」 「わかってる。でも、伊東さんをこのままにはしておけねぇ」 御陵衛士たちは、口々に言い放つ。 その時、新撰組が動いた。 「ぐあっ」 音もなく、一人が倒れた。 それを合図に、狭い路地の中で混戦になった。 翔もまた、考えることをやめ、刀を手に走り出した。
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