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倒れてゆく、かつて共に戦った者たち。
ここはそういう時代なのだ。
己の信念のために。
その時、ふと危険を感じて咄嗟に刀で受け止める。
重い。
でもこの太刀には翔は覚えがある。
「よぉ、元気にしてたか?」
言いながら不敵な笑みを浮かべていたのは
「平助…」
かつての仲間の中でも、共に新撰組を作った藤堂平助だった。
「お前さぁ、何してくれちゃってんの?伊東さん殺しちゃうとか、本気?」
ほんの少し苦笑して、平助は対峙する。
その構えに隙はない。
「…平助、逃げて」
翔は祈る気持ちで、その言葉を口にした。
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