頑なな心 法律事務所のメアリー

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「メアリーさん、今何歳ですか?」 「20歳」 僕「この時に、貴女に何があったのですか?」 「わからない。何か…孤独で、強くしっかりしないといけないと思っています。」 話をきけば、両親から離れて隣町のアパートの一室に一人で住んでいるようです。 自立したい。自分の力で生きたいという思いからでした。 夜間の学校ですが、お金がないため、それもまともに通えてません。 僕「ではメアリーさん。学校へ行ってみましょうか」 「教室へ入ってください。親しい友達はいますか」 「教室はガラガラです。空席が目立ちます。 この中に親しい人はいません。みんな一生懸命勉強しています」 それで、先生に意識を繋げました。 アニーという、線の細い男の先生です。 僕「メアリーはどんな生徒ですか」 「たんたんとしているんだけど、存在感があります」 僕「メアリーは何を目差しているんですか」 「弁護士」 僕「彼女は弁護士になれますか」 「今のところはわからない」 僕「ではメアリーさん。10年後に進みましょう」 「メアリーさん、今何歳ですか?」 「30歳です」 僕「今どこにいますか」 「法律事務所です。」 僕「おめでとうございます。弁護士になれたんですね」 「いいえ、弁護士ではありません。事務所の社長秘書です。」 僕「社長の事をどう思ってますか」 「尊敬できるボスという感じです」 僕「では、社長さんに意識を繋げます」 「社長さんからみてメアリーさんはどんな部下ですか」 「よく仕事をするよい社員です。なんでもそつなくこなします。ただ感情をあまり表にだしませんね」 僕「ではメアリーさん。亡くなる場面にすすみます」
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