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▽萌黄輝斗視点▽
派手に蹴ってくれちゃってさぁも~。
オレ、バイオレンスなプレイは好みじゃないんだけど。
「いきなり蹴っ飛ばすなんてひどいよしまぷー。たかぽん取られそうになったの、そんなに焦っちゃった?」
「は?」
そう言ってへらっと笑って見せたら、不快さを隠そうともしない目でオレを睨んでくる。
相変わらず面白いくらい人を寄せ付けようとしないなぁ~しまぷーは♪
「あのマヌケの事なんかどうでもいい。そんなことよりもお前は一体どういうつもりだ」
「どういう?なんのこと?」
「とぼけるな。余計な詮索をしにきたなら帰れ」
刺すような視線を向けてくるしまぷー。
あの学習室での一件でかなり警戒されちゃったみたいだねぇ。オレ。
だけど、そんな反応しちゃなにかコソコソ裏でやってますって言ってるようなもんだよ~?
「そんなんじゃないから安心してよ。オレはただ、たかぽんと遊びたかっただーけ」
それでもなお胡散臭そうにオレを見てくる視線に言葉を返す。
「・・・なにをそんなに焦ってるのか知んないけどさ。もっと周り見たほうがいいんじゃない?れんれんとかが心配してるよ。最近別行動が増えてる、たかぽんとしまぷーが喧嘩してるんじゃないかってさ」
「俺には関係ない」
「たかぽんも今日は朝からしまぷーがいないって寂しそうだったなぁ~」
「何が言いたい」
オレはしまぷーの発してる警戒範囲に強引に割ってはいると、顔をグッと近づけて言った。
「しまぷーがそんなんだとオレ、本気でたかぽんのこともらっちゃうよ?」
挑発するように口の端を上げると、眉間の皺が深くなった。
ビリビリするくらいの拒絶のオーラを感じる。
でも引いてあげなぁーい。本気だから☆
「・・・・好きにしろ。俺には関係ない」
そうはっきりと言うしまぷー。
ホント、素直じゃないにも程があるよねぇ。
たかぽんのこと関係ないわけないじゃない?
関係ないならあんな風に怒んないし、部屋を出て行かせたりしないし、なによりこんな性格のしまぷーが学校で一緒にいるはずない。
でもあくまでそう言うんなら、俺も遠慮する気はないけどね。
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