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▽火塚智秋視点▽
俺はボンヤリしながら働かない思考を巡らせる。
「ぁ・・・・っ」
漏れるような声と共に感じる、他人の気配。
温かい。
なんだこれは・・・?
俺は何をしているんだ?
「あ・・・くっ、も・・・う・・・」
その声でハッとする。
ベッドの上で俺が覆いかぶさるようにしている、衣服を身にまとっていない身体。
その体が、震えて身じろぐと、嬌声にちかい呻くような声が漏れる。
「っ、・・・・はっ、あ・・・!」
れ、憐・・・・!?憐なのか!?
俺は、ついに憐を・・・・!!!
高揚する感情を抑えきれずに、俺は顔を上げた。
その姿がはっきりと映し出され――――――
「は・・・っ、か・・・会長っ・・・・」
********************
「―――っっっ!!?!?」
ジリリリリリリリリリリリ!!!!
思い切り布団を跳ね飛ばして起き上がった。
心臓に悪い音を撒き散らす目覚まし時計を黙らせる。が、まだうるさく鳴り響く鼓動に汗が止まらない。
「な・・・・?」
なんだ今のは・・・・。
俺は布団の中で呆然とする。
憐の夢だとばかり思っていたのに、あの目が覚める寸前に見えたのは・・・・
「ありえねえ・・・」
汗でべとつく髪を掻き上げて頭を抱える。
最近、俺は、おかしい。
なんで俺がこんな気分にならなきゃなんねーんだ・・・。
苛々しながら、シャワーを浴びようとベッドから出る。と、
股間に感じる違和感に、またさらに気分が落ち込んだ。
今日はもう、いっそのこと休みてえ・・・。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
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