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――コンコン。
ドアを叩く音がする。
「入りたまえ」
ドアが開け放たれる。
仮面をつけた先生の前に現れたのは、茶髪の優等生だった。
「先生、僕、この学校に行きたいんです……!」
スッ…と差し出された用紙。
進路のことについて書かれているものだ。
それを先生は手に取り、
「フッ……」
と笑った。
そして突然立ち上がった。
「君は本当にここに行くというのか!?
まったく…、厄介な奴だよ君は!!」
「僕は!僕のために行きたいんだ!!」
変な言い争いが始まった。
「他者より先へ、他者より上へ!
さらに先を目指し、君は一体何を求める!?」
「僕が求めるのは、平和で平穏な暮らし……、それだけだぁ!!」
「この道で、それが手に入ると思っているのか!?
この道が、君を平和に導くと!!?」
「覚悟はある…、僕は、闘う!」
「ならば行って、証明してみせろ!
君の力がどの程度なのか、今後で見極めさせてもらおうか!?」
「貴方に言われなくてもっ!」
キラ君は最後にそう言って、進路指導室から去っていった。
「ふ……ふふふ……!
あっはーはっはっ!!!」
ラウ先生はひとしきり豪快に笑うと、静かに椅子に座った。
この学校の名物の一つでした。
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