預けられた子たち

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 次の日、天候は晴れていた。春らしい気持ちのいい朝。旅立ちに相応しい日。 「じゃあ皆、俺は行くから。いつか寄付金を贈るよ。偉くなるからさ」  ラウザは微笑みを絶やさず皆を見回した。それに応えるように子供たちは笑う。 「気をつけるのですよ。ラウザは、落ち着きすぎている。戦いになったら緊張感を持つのを忘れてはダメですからね」  シスターは心配そうにラウザの手を握る。 「心配ないですよ。わかっています。シスターアニエル。貴女をいつか迎えに来ますから。好きですよ」 「なっ! そんなこと皆の前でよしてください」  アニエルは頬を赤らめる。 「「ヒューヒュー」」  他の子供たちも少なからず二人の関係に気づいていた。恋仲だろうと。 「ラウザ! シスターを泣かせるなよ!」 「帰ってこいよ! 戦争終わらせてくれ」  皆、ラウザに期待している。剣の腕も、体術にも長けているラウザを信頼しているのだ。 「あ、それより虹助はどうした? あいつ朝は早いはずだろ? 見当たらないが……」  見回しても、どこにも見当たらない。 「さあ? 朝起きたら、もうベットにはいなかったぜ? ラウザもみたじゃん」 「そうなんだが……ったく、あいつは俺を見送ってくれないのか、弟子のくせに」  最後のほうは、皆に聞こえないように呟いた。
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