歌い手になりたかった男、ロベルト

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ジョンは流れてくるコメントを見る。 『これはひどいwww』 『バナ●マンじゃねーかwww』 『てかうp主はこの動画の人?それとも音声の人?』 『歌は可愛いけど音割れすぎwww』 『このバナ●マン……動くぞ!?』 案の定というべきかなんと言うべきか、歌に関するコメントより、その禍々しい女装姿と無駄に軽快な躍りへのコメントのほうが圧倒的に多かった。 「ロベルト……これは歌い手と言えるのかい?」 ジョンが申し訳なさそうに、それでもはっきりと問う。 「もちろんだ。なんていったって歌って再生数を稼いだんだ。これは歌い手だろう。」 「だが、これはどう見ても踊りと女装による人気じゃないか!これじゃあ、歌い手とは言えないよ……いや、仮に歌自体がガチだとしてもこれじゃ完全なネタ勢だ!!」 「はん!嫉妬厨が。ジョン。俺はキミを買い被っていたようだ。縁もこれまでだな。俺はこれからさらなる人気を手に入れ、可愛い生主辺りを引っかけたり、CDを出して巨万の富を築くのだ!! ふはははははは!!!」 そう言って完全な天狗となったロベルトは去っていった。 だが、ロベルトはその後も同じ手法でかなりの人気を稼ぎ、ついにはランキング上位の常連となるのだった。
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