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家の玄関に着いて、口を開けていたのはさっきと同じ人達。
椿と副会長は、相変わらず感心している。
「あ、のさ、そんなに珍しい?」
あたしがみんなに問いかけると、双子がクワッとこっちを睨んで叫びだした。
「珍しいにきまってんだろ!!こんな…こんな綺麗な家!!」
「そうだよ!!あたし達なんていっつも柄悪いおっさん達に囲まれて……うわぁーん!!」
「この違いはなんだー!!」
「……しょうがないよ。元気だして。」
双子の叫びに静かに突っ込む悠斗を見て、笑ってしまった。
それに気付いた悠斗は、首を傾げていたから
「なんでもないよ。さ、入ろー。」
とごまかして、家の扉を開けた。
ギィィ……と重々しい音が鳴る。
玄関で待っていたのは、沢山の使用人と………親父。
いや、なんで親父?
あれ、幻覚かな?うん。きっとそうだね。
一人で納得して、あたしはズカズカと中に入った。
他の六人もあたしの後ろについて来る。
使用人達が、頭を下げているなか、親父だけはシクシクと泣いていた。
幻覚、幻覚っ。
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