本当のあたし

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ガンッと龍を殴ると、龍はあたしを離して、うずくまった。 「ふう……龍、今はパーティー中だから静かにしようね?」 うずくまっている龍にそう言ってから、笑いながら見ていた椿の所に行った。 椿はクスクス笑ってあたしに言った。 「仲良しねぇ。」 今の絡みでどこが仲良しに見えたんだ? 「「全然そんなこと」」 「ないんじゃない……」「ないと思うよ?」 ……悠斗と啓がハモってるし、なんでだ? 分からんことばっかで、首を傾げていると、椿はまたクスクス笑っていた。 なんだなんだ?意味分からん。 意味分からんけどー……まぁいいや。 「あの……紅様?」 いきなり話しかけてきたのは、なんか知らん美人。 「はい。えっと……」 「あっ、あたしは風華学園一年、Aクラスの花宮雅と言います。」 えっ、同じ学校の……後輩? 「あら、花宮さん。久しぶりね。」 あたしが戸惑っているとき、花宮さんに話しかけたのは、椿。 いつもと違い、険悪なオーラが出ている。 花宮さんは、椿を見るなり微笑んだ。 「こんにちは、椿先輩。お元気そうですね。」 「えぇ。誰かさんのせいで大変だったけどね。」 いつの間にか、悠斗も啓も花宮さんを睨んでいた。 「あの……どうしたの?」 あたしが恐る恐る話かけると、椿は 「ごめんなさい。今日は……帰るわ。」 と言って、帰ってしまった。
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