camellia

2/27

330人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
パーティーが終わって、あたしと龍は、あたしの部屋に戻ってきていた。 椿が帰った後、啓と悠斗はあたしから真剣な顔して離れないし、花宮さんは花宮さんでコッソリあたしに着いてきてるし、とても居心地が悪かった。 今も居心地わるいけど。 なんでかってと、龍が不機嫌。 すごーく不機嫌。 「あのー……龍さん?」 「なんや。」 「なに怒ってるの?」 「……ベタベタしてたから。」 はぁ? 意味分からんし。 「な、何言って……わぁっ!!」 さっきまであたしと向かい合わせのソファに座ってた癖に、いきなりあたしの隣に座りに来た。 そして、距離がいつもより近い。 本当、すぐ横、あたしと龍の間に隙間がない。 え、なんで?え、は? あたふたしてると、龍はすっかり機嫌が治ったみたいで、椿の話をしだした。 「椿と……あの……花宮って奴、知り合いだったみたいだな。」 あたしは若干ドキドキしながら「あ、あぁ」と返した。 「明日は学校だから、明日聞いてみるか。」 そう言いながら、あたしの方を笑顔で見るから、あたしはまた戸惑いながら「あ、あぁ。」と言った。 そしたら、龍はニヤッと笑って 「なんだよ、照れてんの?」 なんて言いやがった。 は、はぁ? ふざけんな、と立ち上がろうとしたら、龍に首に手を回されて、絞められた。 く、苦しい…… その気持ちを表情で察したのか、龍は 「座ったら苦しくなくなるんじゃねぇか?」 なんて言った。あたしを離すつもりはないらしい。 考えてる暇なんかなかったあたしは、慌ててソファに座った。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加