330人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
パーティーが終わって、あたしと龍は、あたしの部屋に戻ってきていた。
椿が帰った後、啓と悠斗はあたしから真剣な顔して離れないし、花宮さんは花宮さんでコッソリあたしに着いてきてるし、とても居心地が悪かった。
今も居心地わるいけど。
なんでかってと、龍が不機嫌。
すごーく不機嫌。
「あのー……龍さん?」
「なんや。」
「なに怒ってるの?」
「……ベタベタしてたから。」
はぁ?
意味分からんし。
「な、何言って……わぁっ!!」
さっきまであたしと向かい合わせのソファに座ってた癖に、いきなりあたしの隣に座りに来た。
そして、距離がいつもより近い。
本当、すぐ横、あたしと龍の間に隙間がない。
え、なんで?え、は?
あたふたしてると、龍はすっかり機嫌が治ったみたいで、椿の話をしだした。
「椿と……あの……花宮って奴、知り合いだったみたいだな。」
あたしは若干ドキドキしながら「あ、あぁ」と返した。
「明日は学校だから、明日聞いてみるか。」
そう言いながら、あたしの方を笑顔で見るから、あたしはまた戸惑いながら「あ、あぁ。」と言った。
そしたら、龍はニヤッと笑って
「なんだよ、照れてんの?」
なんて言いやがった。
は、はぁ?
ふざけんな、と立ち上がろうとしたら、龍に首に手を回されて、絞められた。
く、苦しい……
その気持ちを表情で察したのか、龍は
「座ったら苦しくなくなるんじゃねぇか?」
なんて言った。あたしを離すつもりはないらしい。
考えてる暇なんかなかったあたしは、慌ててソファに座った。
最初のコメントを投稿しよう!