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ソファに座ると、苦しくなくなった。
龍は手を離そうとしなかったけど、くっついてくるのは、小さい頃に良くあったからよく考えれば平気だ。
うん、平気。
落ち着いた所で、改めて椿の話をした。
「花宮さん……椿の事嫌いだよな。」
あたしは、家のせいで、妬まれたり嫌われたりする事が多いから、そう言う感情はよく分かる。
それは、龍も同じ。
「椿は嫌いって言うか……なんか、怖がってる?みたいな……」
あたしが考えだすと、龍がいきなり頭を撫でてきた。
パッと龍を見ると、優しげな表情であたしを見ていた。
「な、なんだよ。」
「ん?いや……お前さ、優しいよな。」
カァッと顔が赤くなる。
なに言ってんだこないだから。
あたしはプイッと顔を逸らすとぶっきらぼうに
「は、は?優しいわけないじゃん。」
と言って、龍の腕を無理やり剥がしてから言った。
「もうマンション帰ろうぜ。明日学校だ。」
そう言うと、龍は頷いて部屋から出て行った。
さぁ、着替えるか……
あたしは、ワンピースを脱いで、カーゴパンツを履いた。
黒いキャミソールを着て、その上から白いチュニックを着る。
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