camellia

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カジュアルな格好って久しぶりだな……なんて思いながらあたしは化粧を落としていく。 髪はフワフワしてて邪魔だから、後ろで縛った。 部屋を出ると、龍が壁にもたれていた。 あたしに気付くと、龍は長い廊下を歩き出した。 あたしもついて行く。 観葉植物やら絵画やらが飾ってあって、美術館みたいなこの廊下は、親父の趣味。 絵画なんかは何十万もするらしく、"触っちゃダメ!!" と言うプレートが貼ってある。 金がもったいないないし、相変わらず馬鹿だな……って思いながら廊下を歩いていると、螺旋階段が見えた。 螺旋階段を降りてくと、すぐに玄関。 玄関には親父がニコニコ笑って待っていた。 手にはあたしのバイクの鍵を持っている。 あたしは階段を降りながら 「あたし達、帰るわ。」 と言うと、言われるのを分かってたみたいで、頷くと鍵を投げてきた。 鍵も貰ったし、じゃあ……って言おうとすると、慌てて止められた。 「あー、車で帰れよ。その……疲れただろ?」 親父は、照れ臭そうに鼻をポリポリかきながら言った。 親父はあたしが疲れてるのに気付いてたらしい。 こういう気遣いが出来るところが、社員からの人気の秘訣なのかな……とかなんとか思ったけど、親父には絶対言わない。 あたしは親父にお礼を言ってから龍と玄関を出た。
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