330人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
｢おい、頭大丈夫か？｣
呆れたような目で、龍が話しかけてきた。
あたしは我に帰って、苦笑いしてから、また机に突っ伏した。
はー……
花宮さんか……自分で勝手に調べちゃおうかな。うん、そうしよう。
頭の中のあたしの様々な意見と会議して、決まった答えは『勝手に調べる』。
本当はこんなことしたくないけど、いつまでも暗いと心配だし、あたしも何か出来るかもしれないし。
よし、決まり!!
あたしは一人で納得して、机からいきなり立ち上がった。
勢い付きすぎて、椅子がガタンと音を立てて倒れたけど、そんなことは無視で、あたしはカバンを持ってドアの前まで走った。
それからくるっと向きを変えて皆の方を向いてから
｢今日は忙しいから先に帰るわ｣
と言って、返事が返ってくるより早くあたしはドアを開け、教室を出た。
相変わらず豪華な廊下の、黒い床を走る。
走りながらバッグから携帯を取り出して、桜庭に掛ける
サボってるのか電話に出ない時が多いから、そんな時は、あの真面目なこないだの運転手――――笹倉を呼ぶ。
最初のコメントを投稿しよう！