camellia

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………あれ?笹倉も出ない。 まぁ、取りあえず学校を出るか。 そう思いながらあたしはエレベーターのボタンを押す。 でも待ってもなかなか来ないから、あたしは携帯をしまってから階段を駆け下りる。 普通クラスの生徒はまだ授業中で、とても静かだった。 あたしはそんなことお構いなしで、廊下を走る。 椿達に正体がばれた時に、族ということだけ隠して、全校生徒に本性を見せたけど、みんなとくに気にした様子もないらしく、あたしは安心して脱力した。 だから今も全力疾走しても、みんなは 「あっ、紅さんよ!!」 「きゃあ!!相変わらず男前よね」 なんて言っている。 男前ねぇ……褒めてんのかどうか…… なんて思いながらあたしは走り続けて、昇降口についた。 土足だから、あんまり……って言うか全然使わないけど、靴箱がある。 あたしは不意に自分の靴箱に視線を移すと、真っ黒な便箋が入っていた。 なんだこれ? あたしは靴箱に近づき、手を伸ばして便箋を手に取る。 真っ黒で何も書かれていない便箋は、真っ赤な薔薇のシールで固く封がされていた。
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