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その後は、特に会話も問題もなく、あたしの家に着いた。
花宮さんをあたしの部屋のベッドに寝かせ、あたしは台所へ向かう。
本家と比べるととても小さい台所も、あたしが一人で料理するには十分過ぎるスペース。
あたしは、龍が風邪ひいた時によく作ってあげてたお粥を作り、花宮さんが寝てる部屋に行く。
扉を開けると、さっきと全く同じ格好でベッドに寝ている花宮さん。
ベッドの横の小さい机にお粥を置いた所でちょうど目を覚ました。
「起きた?お粥でも食べて」
あたしが言うと、花宮さんはベッドから降り、机の前にちょんと座ってお粥を食べ始めた。
どこをどう見ても優雅で、隙がない。
そんな花宮さんを見てると、不意に口を開いた花宮さんは
「……紅様は、どうして風華学園に?」
と言ってきた。
「どうして……転校してきたから?」
急な質問に戸惑ったあたしは、疑問系に疑問系で答えてしまった。
花宮さんは、そんなあたしを気にもとめず
「風華学園の前は……どちらに?」
なんて行ってきて、あたしは怯む羽目になる。
前って……すげぇ不良校なんですけど。
その事は流石にバレるとマズい。
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