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「……そ、そんな事より……お粥、そうお粥を食べなよ!!冷めるよ!?」
あたしは、不自然な形で話をとぎった。
花宮さんとあたしの間に沈黙が流れる。
「………」
「………」
マズい……怪しまれた!!?
と思ったけど、花宮さんはのんびりとお粥を食べ始めた。
良かった……と安心していると
『~♪』
いきなりあたしの携帯がなり出して、ビックリしたあたしはビクッと肩を揺らした。
そして、携帯のディスプレイを見て、またビックリした。
こんな時に……礼の馬鹿やろう!!
あたしは、携帯を放り投げた。
早くもお粥を食べ終わった花宮さんはそれを見て不思議そうな顔をしていた。
「……出ないんですか?」
「う、うん!!良いんだよあんなヤツ」
あたしはぎこちない笑みを浮かべて花宮さんを見た。
花宮さんは、まだしんどそうにしている。
それなのに「すいません、押し掛けて……」とか言って帰ろうとするから、あたしは無理やりベッドに座らせた。
「そんなのいいから。とりあえず寝なよ」
「いえ、でも……」
「ぁー、もう!!また倒れたら困るでしょ!!早く!!」
あたしがそう言うと、花宮さんはまた「すみません…」と言って寝転び、目を閉じた。
暫くして、花宮さんの寝息が聞こえてきたから、あたしは未だにしつこく電話を鳴らしている携帯を手に取った。
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