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真希も泣き止んだから、二人でカレー作りを再開した。
キッチン中がカレーのいい匂いで包まれる。
その匂いがリビングまで届いたのか、淳と龍がなんか難しい話をしながら入ってきた。
淳はカレーを混ぜてたあたしの後ろに来て
「なに、カレーなの?」
と声をかけてきた。
あたしは返事をしながら淳から離れる。
だって、顔が近い!!
そんなあたしの心境を知らない淳は、不思議そうに首を傾げてから、グツグツと音を立てているカレーの匂いをかぎ始めた。
アイツは犬か…そう思っていると、あろうことか淳は
カレーに指を突っ込んだ。
「「「は?」」」
行動が理解出来なかった淳以外のまともなあたし達は、顔を歪めて全く同じ顔をした。
だって、グツグツ言ってるんだよ?
熱いんだよ?
え?アイツ馬鹿なの?
そんな事を思いがらこの後どうなるか見てると、
「あっ……ちぃ!や、火傷した!」
と叫ぶと同時に指を抜いて、水道に走っていった。
やっぱりね、と思いながらあたしはカレーの鍋の元に戻りながら二人を見ると、真希は呆れ顔でお皿の準備をしていて、龍はここぞとばかりに淳をいじっていた。
馬鹿だなぁ……
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