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喧嘩をしながらも楽しそうにあたしの所まで来た二人は、あたしの向かいの席に座って早速食べ始めた。
「ごちそうさま!紅ちゃん、美味しかったよ!」
ちょうど真希が食べ終わったみたいで、満足げに笑って自分のお腹を叩いていた。
「あぁ、食器は流しに置いといてくれればいいよ。お粗末様でした」
そうあたしが言うと、分かった、と言って台所にスキップして行った。
あたしももうそろそろ食べ終わるし、さっさと食べ終わって片付けて調べ物しよ、と思って再びスプーンを動かす。
と、ふと龍が顔を上げたかと思うと、あたしの方を見て
「なぁ、お前……」
と言いかけたけど、
「やっぱりなにもない」
と言って顔を伏せてしまった。
……なんだ?
あたしは首を傾げるけど、さっぱり分からない。
淳は、真希と同じように、天使のような顔で頬張ってるから、聞いてないし、分からないだろうな。
……?
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