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皇子、誕生。
血の色をした薔薇を何より愛した女と、一滴たりとも血潮の流れがないと言われる皇帝の間に。
子どもの瞳は、女の大好きな血の様な紅でした。髪は、皇帝によく似た全てを打ち消すかの様な闇の色でした。
ここまでは、魔界では素晴らしいと言われる容姿。
勿論 顔立ちも整っていました。
子どもは、出生の瞬間ですら産声ひとつあげなかったと言います。
皆が流石皇子と称えました。
しかし、
1つだけ欠点と呼ばれてしまったものがありました
それは、肌の色でした。
通常悪魔の肌の色は浅黒いか褐色か、といったものでしたが、
彼の肌はかつて「黄金郷Zipangu」と呼ばれた島の人々が「肌色」と呼ぶ 正にそれだったのです。
人間にとっては大したことのないことですが、悪魔たちにとっては大変なことでした。
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