日常の変化

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この学校の体育祭は秋。 ついでに文化祭も十一月にあるということで、学校内は慌ただしく、騒がしかった。 そんな時は猫の手も借りたいくらいで、ついつい誰かが話してしまったのだ。 「こんな時に進藤みたいなしっかりしたクラス委員がいれば効率よくできるのにな」と。 空気が一気に重くなる。 彼は少し前まで、春香と同じ“謎の病気”で入院していた。 見舞いに行った友人たちは彼のことを聞くと真っ青になって「あれは酷い」と言うのだ。 髪は真白になり所々抜け落ちており、体はまるで干からびたように骨が浮き出るほどにやせ細っていたと。 そんな彼は最後に笑ったそうだ。 『やっと彼女に会える』と。 その後彼と春香の両親も同じ病気で入院、隔離と言うことになり、彼等の席は自然とこのクラスからなくなった。 夏休み中に彼女らと遊んでいた他のクラスの生徒からも被害者が出たとか、出なかったとか。 真相は闇の中だが。 担任も、これ以上被害者が出るようなら学校を閉鎖するかもしれないと話している。 それほど恐ろしく、謎な病気らしい。 暫く黙っていたテレビでも、各地で同じような患者が現れたと今では大騒ぎだ。 正直文化祭どころではない。 だが準備は着々と進んでいく。
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