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「出し物何かしたい人――?」
「はーい!喫茶店がいいです」
「えぇ!一日中客の面倒するの?オレ達他のクラスの出し物見て回りたいんだけど」
「休み時間決めればいいじゃん」
「ああ、そっか」
そんな会話が続いている中、隣の席の木下が私の腕を突いて来た。
何だろうと目を向けると、そこにはキラキラとした純粋な目をした彼がいた。
「文化祭、一緒に回ろうな!」
「何故君と」
「水野の代わりにはならないかもしれないけど、楽しめるように頑張るからさ!」
変に気を使われたようだ。
木下は普段はいい加減だが、こういう時だけ周りに気配りのできる奴だった。
彼とは中学の時からの付き合いだ。
本当は優しいのだと、よく分かっている。
だが、女好きの彼のことだからもう既に別の女子も誘っているんだろう。
彼等が楽しく話している間中一人でいるのは、正直御免だ。
「折角だけど、私は一人でいいよ」
「えぇ!何で?」
「大人数が嫌いだから」
「大人数?何のこと?」
木下はとぼけているのか本当なのか、首を傾げた。
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