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そう思っていた時だった。
がたんっと大きな音をたてて誰かがひっくり返った。
悪戯の延長でそうなったのかと皆苦笑していたが、中々起き上らない男子を心配そうに見つめながらも、近づこうとはしなかった。
倒れた男子は顔が真っ青で、荒い呼吸を繰り返している。
そんな彼は、進藤の見舞いに行った内の一人だった。
がたん、がたんっ。
まさかと思った矢先に、また男子生徒が二人倒れた。
彼等もまた、進藤の見舞いに行った生徒だった。
「近づかないで!皆貴重品を持って速やかに教室の外へ!」
担任のその声に皆我に返り、大急ぎで廊下に出た。
「嘘だろ?またかよ」
「もう嫌!何とかしてよ!」
様々な声が聞こえてくる中、私は冷静だった。
謎の病気だと分かりながら、何故彼等は病院へ行ったのだろう。
そんなに彼のことが心配だったのだろうか。
そんな事を考えている私はやはり薄情なのだろう。
もし近づくだけで感染するなら、医者や看護士はどうなる。
気付かずにいると院内感染になるのではないか。
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