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「ウィーン、落ち着け。一人で戦う訳じゃ無いんだから…」
『……』
俯き、ふわふわとリセラスの前に浮上している。
「ウィーン。ウィーンは、どうしたい?僕達と先に進み一緒に戦うか、人間界に先に帰っているか…僕からは、この二つしか選択権を与えられない」
そう指を二本、立てて言うリセラスにウィーンは、チラッと見るだけで何も言わない。
その反応にリセラスは、深い溜息を吐いた。
「……セラ。ウィーンの思っている事は、伝わっているんだろう?」
「聞きたい訳?んー……きっと目の前にしたら感情がコントロール出来なく、あの時の僕みたいに感情一つで動くと思う」
クオルに聞かれて思い返しながら答える。
リセラスが言っている、あの時と言うのは、大会最終日にベルモと会った時の事。
「あの時の僕は、全帝としての責任、カムイや皆を失いたくない、守りたいと言う想い、そして関係が変わってしまうかも知れない恐怖…だね」
そう当時の自分が感じていた感情を言ってからウィーンだと…と意識をウィーンに向ける。
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