魔界

26/39
219人が本棚に入れています
本棚に追加
/944ページ
「ウィーン、落ち着け。一人で戦う訳じゃ無いんだから…」 『……』 俯き、ふわふわとリセラスの前に浮上している。 「ウィーン。ウィーンは、どうしたい?僕達と先に進み一緒に戦うか、人間界に先に帰っているか…僕からは、この二つしか選択権を与えられない」 そう指を二本、立てて言うリセラスにウィーンは、チラッと見るだけで何も言わない。 その反応にリセラスは、深い溜息を吐いた。 「……セラ。ウィーンの思っている事は、伝わっているんだろう?」 「聞きたい訳?んー……きっと目の前にしたら感情がコントロール出来なく、あの時の僕みたいに感情一つで動くと思う」 クオルに聞かれて思い返しながら答える。 リセラスが言っている、あの時と言うのは、大会最終日にベルモと会った時の事。 「あの時の僕は、全帝としての責任、カムイや皆を失いたくない、守りたいと言う想い、そして関係が変わってしまうかも知れない恐怖…だね」 そう当時の自分が感じていた感情を言ってからウィーンだと…と意識をウィーンに向ける。
/944ページ

最初のコメントを投稿しよう!