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「……ところで、僕達っていつも一緒で仲が良いよね?」
「それは父さんたちが仲良しだからじゃない?」
「知らないの?わたしは聞いたことあるから知ってるよ?」
木々が青々と生い茂り、吹く風が涼しく感じる夏
あまり人が通らない道に家族ぐるみで仲の良い男の子と2人の姉弟が歩いている
目的地に向かうそんな中、不意に思った事を口に出した少年にそれぞれの返答を返した
「何でもわたし達のご先祖様が実は別の世界の人でね、その時にはもう仲良しだったらしいの!」
得意げに胸を張って答えた髪の艶やかな女の子――杉崎嬉良――に、男の子2人は疑いの目を向ける
「な、何?信じられないの?お父さんから聞いた話しだからホントだもん!」
2人の態度が気に入らないのか嬉良はプンスカしながら並んでいた2人よりも前を歩く
「それでねっ?この世界に来たときに初めていたのが、この森の中なんだって!」
彼女が笑顔で振り返り手を広げたそこは目的の場所、彼らが住んでいる所からそう遠くない森の中
それ程深い森ではないのだが、海沿いは崖になっているため近付かないように柵が立てられている
「もしその話しがホントならどんな所だろ?」
「僕も興味がある。一回くらいは行ってみたいよね」
「そうだね。それより早くしないと遊ぶ時間がなくなるよ!!」
彼等はまだ子供であり、昔の話しよりも今を楽しく過ごす事が優先だった
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