第1節 変化の始まり

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「…また森の中?」 「でもキラ姉が居ないから違う所じゃない?」 亀裂から抜けて出た先はまた森だったが、さっきまで暗くなり始めていたのに対し今は明るい。およそ昼間あたりだろうか それでももっと凄いところを期待していたのか、拍子抜けした直哉と秀喜が辺りを見渡す 「!直哉、あれ見て!」 「ん?」 何かを見つけた秀喜の視線の先を追ってみると、そこにはウサギ『のような生き物』が居た 何故『のような生き物』を付けたのかというと、そのウサギには普通はあり得ない角を持っていたからに 「…捕まえられると思う?」 「…試しにやってみる?」 この会話を皮切りに2人は足音を出さないようにウサギに近づいた しかし気付かれてしまったのか、ウサギは森の奥に逃げていき、それを追って直哉と秀喜は走り出した 「はぁ…はぁ、…どこに行った?」 「…ふぅっ、それより随分と遠くまで来ちゃったね」 思ったよりもウサギは素早く、それを追って十数分ほど走ったが見失ってしまった そこはもう先程居たところよりも木々や雑草が生い茂っており、太陽の光さえも遮っている 捕まえる事しか考えていなかったので、すっかりと時間を忘れていた そんな2人の横で木が大きく揺れる。先程のウサギがたてた音かと振り向くと、 「!……ひぃっ!」 「っ!!」 秀喜は小さな悲鳴をあげ、直哉は驚きのあまり目を大きく見開いて息を飲んだ… 目の前には熊を思い起こさせる、しかし腕が異様に長く、手は人の胴回りはあろう木を片手で握り潰していた ((逃げなくちゃ殺される!)) 傾いていく木を見て同じことを思った2人は、木が倒れ込んだ音を背にもと来た道を走りだした
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