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『ちょっと待ってよ!』
ウチは鏡花の肩をぽんっと叩いた。
鏡花は「遅いのが悪いーっ!」とおちゃらけたように言った。
二年生の教室は二階、2人で歩く距離、時間は限り無く早く感じた。
1組の前で鏡花と別れると、知らない人に話しかけられた。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
ウチが振り向くと
漆黒の色の髪にくりっとした目の顔立ちの整った子が立っていた。
うわ…綺麗な子…ウチはそう思った。
「俺、山岸明って言うんだ!宜しくな!あんた名前は?」
………俺?、
制服を見ると確かにズボンをはいていた。
『え…もしかして、もしかしなくてもキミ男子…?』
ウチは後ずさって少し身構えた。
「あんた失礼だろー?男に決まってんじゃん!」
やっぱりー…?
でも本当女子みたいな顔立ちしてるな…。
「とりあえず名前は?」
山岸は呆れたように言った。
『…あ、えっと…東雲です。』
やっぱり男子は苦手だ、まともに話も出来ない…
「しののめ?珍しい名字だな、で下は?」
『へ…?』
ウチの気の抜けた間抜けな声を聞き山岸は微笑した。
あ、やっぱり綺麗だ…
モデルみたい。
「下の名前だって。」
『あ、…日和です。』
「日和かぁ…なんかヒヨコみたいな名前だな!」
ヒ…ヒヨコ?
なんか不思議な人だな…
「あ、じゃあ仲良くなった訳だしヒヨコって呼ぶな!」
な…仲良くなった覚えないんだけどーっ!?
『宜しくな!ヒヨコ!』
「は…はぁ…。」
山岸明、その人は不思議で
何を考えてるか全く解んないけど
すっごい綺麗でモデルみたいな
男子。
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