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「……っ」
抱かれるのが嫌だなんて。
思わないんだけど…。
だからって「抱いていいよ」なんて恥ずかし過ぎる台詞も言えないよ!
葛藤が顔に表れていたのか、恭平さんがぷっと吹き出した。
「はは、そんなに悩む?傷付くなぁ」
私の髪を撫でながら、余裕の表情で恭平さんが言った。
「へっ?!だって!そんな恥ずかしいこと言えないし!」
勢いでそんな風に言うと。
「『恥ずかしい』って、じゃあ…いいんだ?」
恭平さんは私の目を見つめたまま、髪をひとすくいすると自分の鼻にあてた。
その仕草が何とも言えず色っぽくて、私は釘付けになってしまった。
恭平さんは少し目を伏せて、すぅ、と息を吸ってから、
「いい匂い」
と言うと、それから優しいキスを降らせた。
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