【GX─600】

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 ── きっと【GX─600】の設置箇所が、悪かったに違いない。  否、そうとしか考えられないのだ。  私は、知識を電器回路によって圧倒的なパワーを得た我、脳ミソに送り込み続けた。  「人類葬式作法大全」  「相対性理論」  「二十世紀米国全公式文書」  「人類猟奇殺人記録」……  ── ありとあらゆる蔵書をダウンロードし貪欲なる我、脳に与え続ける。  私の給料の殆んどが、ダウンロード料金の支払いに消えていく。  食費も削り、それに充当させたため私は痩せ細ってしまったが我、脳は知識を蓄え肥えていった。  なぜ私は、脳に情報を送り続ける行為を止める事ができなかったのか?  それは、【GX─600】が可動を始めると、私の全身を射精した時の様な快感が駆け巡るからだ  脳が知識を得る度に、私は快感に身を委ねた。  こうして私は、記憶保存中毒者にまで身を落としたのだ── ・
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