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「うん…………んーっ!」
朝日に照らされ、目をこすり大きな伸びをして目を覚ましたのは、主である魔王のフォレン。
彼は毎日家事を進んで行うため、魔王邸の中でもかなりの早起きだ。
全くもって魔王らしくない。
フォレンはふるふると頭をふると、隣で幸せそうに眠る少女の頭を撫でた。
「ルネ、朝だよー。」
「む……もう、ちょい……」
ルネと呼ばれた少女は、布団を握りしめた。まだ眠そうである。
「仕方ないなぁ……僕が朝ごはん作り終わるまでには起きてね。」
「うん…………ぐぅ。」
どうせ起きないんだろうなー、とフォレンは呟きながら起き上がってキッチンに向かった。
キッチンまでの廊下の途中で、広い窓から中庭が見える。ちらりと外を見ると、銀髪の少女が槍を持ち、威勢の良い声を出しながら突きの特訓をしていた。
「あ、アマリアちゃんだ。おはよう!」
少女はフォレンに気が付き、槍を下ろして礼儀正しく一礼する。
「おはようございます、フォレン様。今日も良い天気ですね。」
「うん。だから今日は皆でお出掛けしようかなと思うんだけど……」
「賛成です。私も外をゆっくり見たいので。」
「じゃあそうしようか。早めに鍛練切り上げてね、朝ごはん作ってくるから。」
フォレンは楽しそうにその場を去った。
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