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漆黒の髪の少年が紫がかった黒の瞳で少しドアを見つめると、ドアを二回ほどノックした。
「どうぞ。」という女の声が聞こえて少年は静かにドアを開けた。
「よく来たわね。座りなさい。」
栗色のミディアムくらいのストレートヘアの髪を触る女が少年にソファーへ座るように促す。それを見て、少年はソファーに座った。
「それで、ギルドマスター。ランクA+の依頼の内容はなんだ。」
少年は少し、少し固まりながらも、いらつき気味に問う。すると、女――ギルドマスターは少しの笑みを浮かべ答えた。
「依頼内容は、学園に、彼女と共に入学してほしいのよ。」
ギルドマスターが見つめるのは、少年の後ろ。少年はその視線に気づいて振り返った。
「よろしくお願いします・・・・・。」
そこに立っていたのは、誰もが振り返るような美しく、可愛らしい少女だった。
明るい灰がかった青のお嬢様風なワンピースを着こなし、海の色のような濃い青色の髪を腰まで伸ばしてカールにさせ、
瞳は真夜中の青を意味するほとんど黒に近い暗青色。その瞳は真っ直ぐ少年のほうに向いていた。
「よろしく。」
少女は貴族風に礼をした。その動きは滑らかで、無駄な動きは一切ない。どこかのお嬢様のようだ。
少年は落ち着いた目で、少女のことを見た。
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