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あるところに、それはそれは人気者のような女がいた。
彼女は嘘つきであった。いつだって息をするように嘘をつけた。
それゆえ、慰めを欲する人間はみんな彼女に近付いた。
彼女はだが彼と同じで、
心の中ではいつも一人であった。
彼女の嘘を欲しがって近付く貧弱な腑抜け共を、彼女はいつだって心の奥底で馬鹿にしていたし、地獄に堕ちろと思っていた。
彼女は人気者になればなるほど、
一人ぼっちになっていった。
彼女は空を見上げた。
空はすっかり暗くなっていた。
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