次の職業は勇者

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運ばれてきた雑煮を受け取り、のほほんムードで一同雑煮を頬張る。 面白味にかける正月番組をボケーっと眺めながら、ひたすら器をつつく。 そんな中、不意に流奈が話題を上げた。 「龍、彼女作んないの?」 「あん?」 なにかと思えばそんな話か。 女の人はこういった話が好きなんでしょうか? 「どうなの?」 「んー…特には作る気ないけど」 俺の答えに、深い深ーいため息をつく二人。 「アンタね、24にもなって女っ気ゼロってのも問題だよ?」 「母さんまで…良いだろ別に」 「いや、大問題だよ龍。婚期逃す前に良い嫁さん見付けなきゃ!男だって賞味期限あるんだから!」 うわぁ…いつもの流れだ。 この人たちは変化を知らんのか、変化を。 毎度同じ台詞を言いおって…。 「大体ね、アンタは昔から…」 「龍は顔は悪くないんだからもっと攻めの姿勢…」 くどくどと続くお説教を受け流し、早々と雑煮を流し込み居間から脱出。 部屋に戻って財布を取って着替えも済ませ、ついでに家からも脱出。 まともに聴いていたら明日になっちまうからね。 外に出ると、まだまだ冬だと実感させる冷気が身体を襲う。 一度大きく身震いしてから、歩みを進める。 正月だからか、表を歩く人は殆どいないので堂々と歩道の真ん中を闊歩する俺。 冬の空気は冷たくてとても澄んでいて、美味い。 人が少ないと殊更に。 そんな中、何処に行こうか迷っていた俺は足を止めた。 「よく考えたら…正月だし、店とか殆ど営業してないだろ」 …馬鹿やった。 もう少し考えて出れば良かったよ…。 夏乃芽 龍、不覚也。 しかし、今更引き返すってのも面白味に欠ける。 ならば行くまでよ! 無理矢理自らを鼓舞させて足を進める。 「つっても無駄だよな…喉も乾いたし、コンビニにでも行って帰るか」 ついでに面白そうな本でもあれば儲け物。 そんな訳で、近場のコンビニへ向かうことにした。
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