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うん、どうしようかな…。
目を開けるとそこは、幕末の京の町でしたって、どこの漫画だよ。
面白味なさ過ぎて、すぐに没になるよ。
ネームの段階で没だよ、カスが。
ふざけるなよ、幕末とか知らないって。
主要人物は誰だよ。
それすら、知らないし。
…………。
いや、待てよ?
知ろうと思えば、知れるのか?
幕末の本、ちゃんとあるし…。
でもさ、ふざけるなよ。
百歩譲って、人目につかない路地に落としてくれたのは、気をきかせてくれたのだとしよう。
で、この状況は何かな?
さっきの穴以上に、ありえてはいけない状況だよね。
え、ここで、私に何をしろと?
むしろ、何ができるの?
本当さ、何で、私は殺人現場…。
幕末なら、辻斬りって言うのかな?
それの一部始終を見てんの?
「見たなァ…!!」
……何か、売れないホラー映画の台本から抜粋したような台詞じゃん。
「貴方と目が合ってる時点で見てますよね。ここで、私が見てないって言っても信じられないじゃないですか」
何、言ってるんですか。
状況判断能力は皆無なんですか、そうですか。
「俺は悪くないんだ、そう悪くないんだよォ…。こんな所に来た、お前が悪いんだ。この女も同じで、俺は悪くない…!全て、全て!だから、死ねよ!殺してやるよ!」
自分は悪くない、ね。
そうやって、責任転嫁して、人を殺す訳か。
本当、狂ってるよね。
「貴方が、私を殺すんですか?本当に、殺せますか?その震えた手で?泣きそうな表情で?別に、いいですよ。殺したければ、殺せばいい。こちらとしても、好都合です」
それで、貴方の気は本当にすみますか?
後悔はしませんか?
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