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*****朱音side
誰か来たよね、流石に。
隠れる必要はないかな。
隠れても、この服だと、ね。
それに、隠れるところもないし。
「ねぇ、これって、君が殺ったの?」
こちらにやって来たお兄さん達は、青っぽい色の服を羽織っていた。
しかも、三角マークが並んでいる。
前、ドラマで見たことある。
あの羽織りって新撰組のトレードマークじゃなかったっけ。
てことは、彼等は警察みたいなものか。
綺麗な顔したお兄さんが二人と中の下が三人ね。
別に、ディスってはない。
真実をありのまま素直に思っただけだから。
「"やった"っていうのは、殺したっていう意味で言ってますか?それなら、私が殺したのはコレだけです。そこの女性は、コレが殺したので」
「そっかぁ…。何で、殺したの?」
綺麗な顔したお兄さんは、目を細めて笑った。
それにしても、人を"コレ"呼ばわりしたのに、何も言わないのか。
それとも、人だったモノだから、何も言わないのか。
どちらにせよ、私が不謹慎なことを言ったのに、何も思わないのかな、この人達は。
面倒臭いなぁ。
あの質問に対して、私は答えなきゃいけないのかな。
幕末って黙秘権はないよね、やっぱり。
本当に、面倒臭いよね。
「総司、話なら屯所で聞けばいい」
……ソウジ?
そうじ。
総司?
新撰組で、総司って言えばさ。
「沖田総司…?」
だよね。
ドラマでも、主人公格をになってたし。
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