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星が輝く晴れやかな夜空と気分が晴れない私。
美しく浮かぶ月と気分の浮かない私。
全く正反対ですね、はい。
憂鬱だ、もう何もかも滅べばいいと思うよ。
「物騒なやな…」
地味忍は、地獄へ堕ちればいいと思うよ。
「ホンマに物騒やな!?ワイ、何もしてないやろ!?」
え、存在してんじゃん。
「心読むのやめてもらえますか。ストーカー野郎並にウザイ」
「すとぉか野郎ってなんや?罵倒しとるんやろ?後、読んでへんから。おもいっきし声に出とるんよ」
よく罵倒してるって分かるな、これが地味忍の力なのか…。
「ストーカー野郎とは人をつけまわすことに意義を見出したクズです。ていうか、ゴミです。虫以下です」
つまり、それが貴方です。
「うん。そこまで、言わんでもええやろ?泣くで?ホンマに泣くで?」
「泣くなら部屋の隅か、部屋を出てからにしてください。間違っても私の前で泣かないでくださいね。とても、面倒なので」
にこりと私が笑うと、彼はへにゃりと苦笑いした。
「朱音は、人が泣くのが嫌なんやね?」
「嫌っていうか、一々見ていたくないだけですよ。それより、自称魔王はどうしたんですか?さっさと答えろよ、地味忍」
「地味忍は勘弁してや。ワイかて名前はあるんよ?烝って呼んでくれへん?後、その喋り方も勘弁やで」
名前呼びとか、こっちが勘弁なんで。
喋り方もいいでしょ、別に。
というか、質問に答えろ。
「あー、魔王はんやったな?その人やったら、山南はんに連れてかれとったなぁ。それが、どないしたん?」
「別に、どうもしないですけど。ほら、アイツのこと殴り足らなかったなと思っただけで。山南さんのところにいるなら、いいんです」
私が行く必要もないかな。
「何でなん?」
分からないんですか?
これだから、地味忍は。
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