プロローグ

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プロローグ

-此岸(しがん)にて- 君の名を呼ぶ 分け入っても 分け入っても 深い葦の中 気がつけば舞い散る雪の中 僕は君の名を呼ぶ 真白きボタン雪がヒラヒラとかき消した この岸の向こうに君はいるのだろうか 分け入っても 分け入っても 煩悩と悩みの葦の中 溶けた雪が足元を汚した 僕は君の名を呼ぶ 君はもう僕を忘れてしまっただろうか 気がつけば雪が舞い散る葦の中 大声で君の名を呼ぶ 君が僕を忘れてしまわないように
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