慟哭

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「初めまして、ケアマネージャーの広田と申します」 圭子の介護認定をすませると、介護プランを作成してくれるという広田さんが訪ねてきた 僕はまだ介護というものをよく知らない とりあえず圭子はデイサービスに通う事となった 「木崎さん、入所施設への申し込みはなさいますか?」 「入所施設というと?」 「…特別養護老人ホーム等、の事です」 「圭子の面倒は僕がみるつもりです!」 「木崎さん…お子さんもいらっしゃらないし、誠治さんに何かあった場合に行き先がないと困るのは圭子さんなんですよ」 そうだ僕達に子供はいない、だからこそいつも二人で生きてきた 圭子のいない生活なんか考えられない 「今、申し込みをされても実際に空きが出るのは何年も先になると思いますよ …申し込みが多い所は何十人以上も待ってますから」 広田さんは口をつぐんだ僕を慰めるように言った 「…お願いします」 できる事なら、圭子と二人、誰の手も借りずに暮らしたかった
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