此岸(しがん)にて…
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此岸(しがん)にて…
圭子の病気が発覚して、もう何年が立ったのか… 少しずつ進行していく認知症状が圭子を蝕んでいった 両親の事は口に出さなくなって 僕の事も曖昧になった… 日によっては自分の事さえ定かでないようだ それでも、圭子は穏やかに笑う 「本人は幸せだよ、何も分からない遠い所へいるんだから」 周りの人は皆、そう言った
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