3/7
前へ
/27ページ
次へ
「嫌いでした?」 あまりに、ノロノロと咀嚼している姿に思わず口に出た 「…ううん…お腹すいてないだけ」 「はぁ…」 小さな白い手を合わせ きちんとご馳走さまでした。と言うと膝を抱えて ぼんやりする歩を横目に片付け始める 「あの…」 「はい?」 「…ここ、いて?」 「はっ、いや…それは、無理っ……ぁ…ちょっと無理かと…」 駿は、どうも どう見ても幼い雰囲気の歩に丁寧に しゃべるのが違和感があるようで その話し方に 歩が プッと 吹き出し クスクスと可愛らしい笑いを溢した。笑顔は、見惚れる程で駿が固まる 「あっ…ご、ごめんなさ…」 はっと 口をつぐんだ 「え、あっ…いやっ…その…」 慌てる駿の姿に、また 吹き出してしまう歩 「ちょっ、そんな笑う事あらへんやろー。あっ」 あまりにフランクなしゃべり方に駿は口を手で覆ってみれば、歩が尚笑う。 「すんません…」 はたと笑うのをやめ キョトンとする 「何で?僕に敬語のが変だよ。」 「いや、せやかて…」 「そのまんまが、いいな。龍と同じ。好き」 ニッコリとされて、何故か顔が熱くなるのが わかった 「あっ!!かた、、片付けてきますしっ」 突然の慌てようにキョトンとした歩に背を向け部屋を後にして 廊下に出れば 長い長い息を吐いた 「俺、大丈夫やろか」 誰に言うでもなく呟いて肩を落としてノロノロ歩き出した
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加