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既に国民のほとんどが隣国へと避難をし、不気味なまでの静けさが支配していたこの国が、クジラのその一言で揺れた。
集まったハンターの数はおよそ30名、一刻前まであった笑みが消え、その表情は恐怖の色に満ちていた。
膝から崩れ落ち、地面にヘタレ込む者。
奇声を上げながら、逃げ惑う者、気を失う者……。
人それぞれ示す行動は違えど、一部を除いて一様に皆、逃げの姿勢に転じていた。
彼等は実績十分の名高いハンター達。
しかし、ドラゴンの恐怖がそれらのプライドを上回った、当然ともいえる光景だった。
『……残った者は3人か、宜しい我が輩の宮殿へ案内しよう。ついて来るが良い、選ばれしハンター達よ』
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