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次に左薙と右薙、最後に左切上げと右切上げ、逆風と続いた
「時雨先輩突き(刺突)は?」
「あたし突きは苦手なの」
「時雨、あたしがやる」
楓部長が武器を構える
(う…なんか凄い雰囲気が…)
楓部長が静かに息を吸い込むのがわかる
スッ
パラ
一瞬の出来事だった
楓部長の一撃はジャージに軽く触れただけだ
だが時雨先輩のように踏み込む足音がしない
「いま…何が」
風が通り過ぎた感じがした
後ろを振り向くと武器を構えたままの楓部長がたっていた
「さすが部長」
「全国一位は伊達じゃないね」
「え?全国???」
「そうだよ。部長は二年連続全国大会一位なんだよ」
「はぁぁぁぁぁ‼?」
「ほら。トロフィーと記念写真があるよ」
そこには全国大会で優勝した時の楓部長が写っていた
「全国大会一位の人がこの学校に…」
「部長は部員にとって手本となる存在でなければならない。結果より人間性を養う。それがなぎなた部の理念だ」
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