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彼の名前は、コンソールデバイス聖痕くん。
略して、聖痕。
ちなみに聖痕の能力や性格は、使用するエージェントによって個々に違う。
それと言うのも、聖痕に搭載されるAI(人工知能)は使用者の思考パターンや能力をトレースして構築されているからであり、電子化した、もう一人の自分だと言えよう。
エージェントは聖痕を介する事で、魔法のような事象を興す際に必要とされる、寿限無の力を安全に且つ、効率よく取り出し、自在に操ることが出来るのである。
『くぅ~、チクショウーめ!ナンだって、あの人工繊維100%のボロ雑巾を腹に巻いていやがるのだ?暑いし、チクチクして、体中が痒くてしかたがねー!』
そう言って、極細シャープ芯よりも細い腕の発疹をボクに見せつける聖痕。
「むむむ。失礼にゃ!コレは腹巻と言って、人間世界のヤングなギャル達の間では最強にナウいオサレアイテムなのれすよ?!」
『けっ。何がオサレアイテムだ。どこからどう見ても、人生の敗退者か、おかしな性癖のある変質者にしか見えないぜ』
「にゃ、にゃにおー!異議ありきー!」
『却下だ。』
抗議を続けようとするボクを完全に無視して、聖痕はロッククライマーの要領で、ボクの鼻先によじ登り、そのまま前髪をつたって、頭のてっぺんに陣を取って、一言。
『あーあー。お前ほど、世渡りの下手なヤツはイネーな』
文字通り、上から目線で聖痕が、ぼやいた。
「はぁ~?橋田○賀子のモミアゲ見たいな顔した人には、言われたく無いにゃ!ボクの頭の上でチョロチョロしないでくれる?何か、毛虫みたいで、気持ちが悪いにゃ」
『誰がモミアゲだアホ!俺様ほど完璧なπを誇る聖痕はそうはいねぇぞ。ちなみに仲間内では
「風邪ウィルス」の二つ名で恐れられ、気安く俺様に近寄るヤツなど、いやしねぇ』
「いあ、それ、あからさまにハブられてるよね?嫌われているだけじゃね?」
『ちょ、馬鹿お前!さらりと、失礼な事を言ってるのじゃねー!俺様が言いたいのは、少しは(賢くなれ)ってこと。でないと、野○下隆役みたいに、シリーズごとに別の役者になっちまうぞ』
「リアルきた!リアル怖いにゃ!」
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