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もう下校時刻5分程前だからか、杏以外の姿はない。不気味に思いすぐに外へ出ようとするが…下駄箱に設置されている蓋が開かない。
真向かい側の下駄箱からキイキイと音が聞こえてきた。窓やドアは全てしまっていることから誰かがいると判断し、安堵の溜め息を吐く。
―あれ? 私が見たときって誰もいなかったよね…。
杏がそれに気付いた瞬間、キイキイという音がガチャガチャと何度も開け閉めする音へと変化した。次第にその音は増え、かつ自分に近付いて来ているかのように音量も大きくなっていく。
杏は恐怖に耐えきれず、自分の靴が入っている下駄箱から手を離した。
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