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『――よし、そうと決まれば凛ちゃんを何処に住ませるかを決めなきゃね!』
『雅の言う通りじゃな。皆、良い案はあるかの?』
長老の言葉に丸太と金愁が挙手をする。
『丸太から申せ。』
『はい!オレは雅さんの屋敷がいいと思うっス!話も知ってるし、それにやっぱ女同士だし!』
『ふむ。』
『んーと...長老様。私も住ませてあげたいのは山々なんですけどぉ~、ちょっと訳あって難しいんですよね...。』
雅の意味深な言葉に皆は疑問をもつ。
すると、その言葉を聞いて神來は吹き出した。
『プッ!さてはお前、男ができたな?』
『――なっ!何言ってんのよ!///』
雅は顔を真っ赤にさせ動揺している。どうやら図星の様だ。
『図星か。何も恥ずかしがる事はないであろう。雅なんかを貰ってくれる男がいて、某も嬉しいぞ。』
『ああ、雲条の言う通りだ。今度、飲み行った時に詳しく聞かせろよ。』
『雲条、神來...後で絶対シバく...!』
雅の後ろからは殺気が溢れ出ていたとか。(丸太の証言)
『...ふむ。では雅は無理という事じゃな。』
『......。』
凛は内心動揺していた。
何も確証はなかったが、数少ない女である雅の屋敷に住ませてもらえると、てっきり思っていたからだ。
この可能性が消えた今、残されたのは、事情を知っているこの中の男妖魔の屋敷に住むという可能性。
しかし、贅沢は言えない。不安はあるが、凛は覚悟を決めた。
『では次、金愁の案を申すがよい。』
『はい。僕はこの件を任せられている、神來くんの屋敷がいいと思います。』
『はぁ?!金愁てめぇっ何言ってんだ?!』
キレる神來を無視して話を続ける金愁。神來の方を見向きもしない。
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